PID演算命令の動作説明

  1.  (1) 制御入力
  2.  (2) パラメータ(Kp, Ti, Td, Ts)
  3.  (3) 設定値(SP)
  4.  (4) PID演算
  5.  (5) 操作される変数(MV)
  6.  (6) 測定値(PV)
  7.  (7) アナログ変換
  8.  (8) 出力値

上記のPOUボディは、標準的な制御ループを示しています。制御入力は、ユーザが設定します(例: 必要な室温22°C)。A/D変換された設定値(SP)は、PID演算命令の1つの入力値として設定されます。測定値(PV) (例: 現在の室温)は、通常、センサなどから、PID演算命令のもう1つの入力値として入力されます。F355_PID命令は、設定値と測定値から、偏差e (エラー値)を演算します(e = 設定値 - 測定値)。与えられたパラメータ(比例ゲインKp、積分時間Tiなど)に従って、新しい出力値(出力値MV)をサンプリング時間Tsごとに算出します。演算結果は、D/A変換され、アクチュエータに出力されます。出力のアナログ変換部は、システムのアクチュエータを示します。

PID演算は、3つの要素からなっています。

  1. 比例部(P部)

    比例部は、エラー値に比例した出力を発生させます。比例ゲインKpは、出力値の増減量により決定します。比例部は、単純な電気抵抗やリニアアンプなどです。

    比例部は、比較的大きい最大オーバーシュート、長い設定時間、定常偏差を示します。

  2. 積分部(I部)

    積分部は、積分時間と入力量(入力量のエリア)に応じて、出力量を決定します。積分時間は出力量MViに影響します。積分部は、ボリュームフローで満たされたタンクの計量などに利用することができます。応答時間が遅いため、P要素より大きい最大オーバーシュートを持ちますが、残りの定数エラー値はありません。

    例:

    偏差e と出力量 MVi の関係

  3. 微分部(D部)

    微分部は、エラー値の時間微分に応じて、出力量を決定します。微分時間は、微分入力量のウェートに影響します。微分要素は、RCブリーダ(直列接続コンデンサと並列抵抗)などです。

    例:

    偏差e と出力量 MVd の関係

  4. PIDコントローラ

    PIDコントローラは、P要素、I要素、D要素の組み合わせです。KpTiTdが最適に調整されると、PIDコントローラは設定値にすばやく到達し、その値を保つことができます。

コントローラ出力MVを演算する参照等式

次の等式は、以下の条件でコントローラ出力MVの演算に使用します。

一般的に、時間周期nの出力値は、前回(n-1)の出力値と今回の出力値の変化から計算されます。

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最終修正日: 2023-11-21このページに関するフィードバックお問い合わせ窓口